コーヒーを「美味しく」「安価」に飲むには自家焙煎しかない!
と試行錯誤してきた経緯があります。
このたび、今までのノウハウをつぎ込み、友人の協力を得ながら量産型の焙煎機を製作しました。
過去の経緯はこちら
・初号機・・・とりあえずありものを組み合わせて製作
・2号機・・・本格製作した焙煎機。これをベースに発展させていきました
・量産プロトタイプ・・・量産試作機。友人機となり運用中
製作工程
・2023/12/17 製作スタート
・2023/12/20 天板の取り付け
・2023/12/23 完成に向けて
量産型1号機の製作スタート:2023/12/17
友人へお嫁に行った量産型プロトタイプから採寸した設計図をもとに、アルミ板への加工の印を入れていきます。
アルミ板の加工に関しては、焙煎機のお礼に友人からプロ用工具をおっそ分け頂きました。効率アップ、精度アップに寄与です。
頂いたドリルの刃ですが、ホームセンターのドリルとはやっぱり品質が違います。
穴あけ部の面取り
穴あけ加工、切断、折り曲げ、スリットなどの加工を続けます。
折り曲げた板は側板になります。
スリットはカゴの軸棒が通過する箇所になります。
L型ステーも加工します。こちらはモーター部を支える部材になります。
仮組を行い、位置調整や確認をしていきます。
モーターとギヤが取り付けられます。
本日の最終段階です。
焙煎機の様相が見えてきました。ブルーのシートで傷が付きづらいですが、加工中にいくつかの傷がついてしまいます。焙煎能力には関係ありませんが、工作精度や綺麗に製作する技術の向上を図っていかなくてはと思いました。
2023/12/20 天板の取り付け
仕事から帰宅後、少々時間がありましたので、天板の取り付けを実施しました。
天板には取っ手や、蝶番を取り付け本体に接続です。
本日はこんなところで終了です。
今週末、一気に製作を完了させたいです。
2023/12/23 今日は頑張って完成を目指します。
焙煎機内のカゴには元々、芯を固定できるように作られていますが、今回の製作した焙煎機のサイズではどうしても、干渉してしまいます。
ネジで芯を止めている、L字ステー部がケースに干渉してしまいます。
2号機以降は本体サイズを少々拡大しようと思いますが、当機は別のアプローチで対応します。
対応方法ですが、L字部分を削り落として、芯(シャフト)をガイドする部品をカゴ内部に新たに2か所取り付けます。下の写真が施工後となります。
続いて、この芯(シャフト)へ取っ手を取り付け、焙煎前と後の取り扱いを容易にします。
次に、モーターギヤASSYです。このモーターASSYですが、ギヤBOX内のグリスが少ないことが判明しているので、事前に分解してグリスUPしました。
このギヤBOX内はすべて金属製もものが使用されているので、温度が上昇する焙煎機の使用に適しています。ただ中国製なので、以下のモータースペックがありますが、1kg以上の焙煎重量は避けたほうがいいと思います。
実際に当方も同じモーターギヤASSYを使用しています。600g~700gの焙煎重量で2年運用しています。これまで故障はありません。
モータースペック:DC12V、定格回転数18rpm、定格トルク12kg.cm
【モータートルク12㎏/(16㎝/2=半径8㎝)=1.5㎏】
メンテが完了したモーターギヤASSY。
DC12v、18RPMとシールが貼ってあります。
さらに、このモーター部をステーに取り付け、シャフトとの接続部にユニバーサルジョイントや、ステーには電源スイッチを取り付けます。
ユニバーサルジョイントのシャフト側は、蝶ねじでシャフト固定します。
ここでカゴ=シャフトと接続したり、分離したりを行う部分になります。
庫内の温度管理のため、300度まで計測可能な温度計をセットします。
このタイプの温度計は初めて使用するので、後付けの格好です。
庫内の温度を安定させ遠赤効果を狙うため、セラミック網をケース下部せセットします。
カゴシャフトのセット、取り外しを行うため、ケースに縦溝が彫られています。ここから熱が逃げないように放熱防止の板を設置しました。この製作が難しいです。シャフトの上昇・下降で一緒に動く構造としております。
均一な施工が出来るように今後の改善点の1つとなっております。
ハード面が完成したので、炉端焼き機にセットします。
仕上げとして、
電気配線を行い、700gの生豆を投入して回転試運転です。電源はDC12Vのアダプターです。
量産型 直火式焙煎1号機 が完成しました。
美味しいコーヒーを楽しむには、自家焙煎しかないと思います。
コーヒー豆にも色々な種類があります。豊富な種類と焙煎の進み方で好みはそれぞれです。焙煎機を所有することで、生豆を入手し自由にお好きなコーヒーを楽しむことができます。
また、安価にコーヒーを飲むことも自家焙煎することで可能になります。
一例ではありますが参考に・・・
自家焙煎:マンデリンG-1 トバコ 1kg=2460円
焙煎によって水分蒸発分を15%とした場合、1kg→850g
焙煎済み:マンデリンG-1 レイクトバ 200g=1944円
焙煎を自前で行うことになりますが、100g単価に算出しますと、
自家焙煎:マンデリンG-1 トバコ 289.4円/100g
焙煎済み:マンデリンG-1 レイクトバ 972円/100g
メーカー名は控えますが、実際の数値を使って算出しています。3.3倍の差が開きます。勿論、鮮度も自家焙煎に軍配があがるのは明白です。
是非とも、自家焙煎に興味がある方は使って頂きたいと考えております。
この焙煎機は炉端焼き機専用に製作されています。これは長年、自家焙煎と焙煎機を製作してきた経験からで、普通のカセットコンロでは焙煎ムラが生じてしまうのが理由です。
炉端焼き機の炎は円形ではなく、並列(2列)で18㎝の長さです。当機の本体は長さ22㎝で作られています。炎の上部にカゴをセットして、焙煎を開始してください。
本体ケースはアルミ製です。直接炎がケースを炙ってしまうと溶けてしまいます。カゴを焙煎機にセットする際は温度計をずらす必要があります。ここは今後の改良点と考えております。
焙煎重量は700gまで。モーターギヤASSYのスペックやカゴの容積では、もっと生豆を焙煎することが可能ですが、未確認なのでこのような表記になります。
庫内温度は200度~250度で運転してください。生豆の種類や重量、焙煎温度によって、1ハゼまでの到達時間は違いますが、概ね15分前後にやってきます。
そして、焙煎度合いですが以下を参考に進めてください。焙煎回数をこなすと、感触が分かってまいります。
1ハゼ付近で取り出し ・・・浅煎り
1ハゼ~2ハゼ手前 ・・・中煎り
2ハゼ ・・・深煎り
焙煎終了の取り出し時は革の手袋を装着してください。火傷注意です。
ユニバーサルジョイントの蝶ねじ部で接続を解除して、直ぐに冷却を行います。チャフも飛ばしてください。
(私の場合は扇風機とザル2個を使って冷却しています)
構成部品はアマゾンや近所のホームセンターで入手しています。全て入手しやすい部品です。
電源はAC100V→DC12V変換アダプターで、モーターへの接続ですが+ーを逆に接続しても回転方向が変わるだけなので電圧だけ間違えなければ修理も容易です。
この焙煎機を炉端焼き機へセットして使用しますが、炉端焼き機のカッセトボンベは高温になりません。手で触れる温度で推移しますのでご安心ください。ただ、焙煎中はチャフが炉端焼き機へ落ちて行くので、火災の危険性がゼロではありませんので、焙煎中は近くにいるようにしてください。
豊かなコーヒー生活のお供にご活用ください。
以下、ギャラリーです。
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