備忘録 コールマンランタンのケロシン化

2023/6/21

火器のケロ沼にはまって、相当数(100台以上)のコールマンランタンのケロシン化(灯油仕様)を手掛けてきました。
今回は幾つものケロ化において得られた知識を備忘録として残すと共に、皆様へ共有することで、自己責任ではありますがケロシン改造の一助になればとの想いでサイトを立ち上げることに致しました。

早速ですが、ランタンの燃料の特性を知っておく必要があります。
 ・ホワイトガソリン(WG)・・・常温で気化し、燃焼可能→燃料が高価
 ・ケロシン・・・常温では気化しないので、加熱工程が必須→燃料安価

持ち運びに関しては安全性の面でケロシンが優位です。ケロシン=灯油に火のついたマッチ棒を投入しても、気化が行われないのでそのまま消えると思いますが、WGではそうはいきません。
着火のしやすさ=火災の危険性があるとの認識が必要です。

しかし、ランタンの燃料で考察すると・・・
ケロシンは加熱して気化する工程(儀式)が必要です。面倒でもこの儀式がたまらないという人もいます。燃焼スタート時はプレヒートと呼ばれる余熱が必要で、基本的には専用のプレヒートカップを装着する必要があります。

写真は真鍮製削り出しプレヒートカップ(当方のオリジナルです。耐久性抜群)

カップには、燃料用アルコールを注入して点火。
ジェネレーターを熱して、ケロシンを気化して点火しやすくします。


また、燃焼中はジェネレーター内部でマントルの熱を受け燃料の気化を行う構造となっており、運転中は液体→気体へ常に変化します。この気化量がランタンモデルによって個体差があり、ランタンとしての明るさが得られるか・・・ここにケロシン改造のしやすさにモデル差が生まれると考えております。

具体的には、シングルマントルランタンのモデル「286」「282」がケロシン改造が難しいです。私はシングルマントルランタンのケロシン化はオススメしません。WG仕様と同じ明るさを得るのが難しいです。 
コールマンには純正品でケロシンモデル「214」があります。この214専用のジェネレーターやバルブASSYが販売されていましたが、こちらの部品を286へ組み込み燃料をケロシンとしても良好な燃焼=照度を得ることができませんでした。
現在、モデル214ランタンはコールマンのラインナップから除外されています。

214専用部品の違い(286の部品と比較して)
 ・ジェネレーター:内部のアルミコイルが太い
          (気化促進を狙っているものと思われます)
 ・バルブASSY  :下部の燃料吸込み口の径が大きい

214のジェネレーターとバルブASSYの下部チューブです。

ジェネレーターの内部コイルは明らかに太く、巻き量が多いです。

バルブASSYチューブの下部穴はWGより大きくなっています。

 なぜか、これらの部品を活用しても良好な燃焼が寝られないですよね~。だから214は廃盤になったのではと勘ぐってしまいます。

ケロシン化のオススメランタンはツーマントル型!!

中型のモデル「288」や「285」
大型の「290」「295」はケロシン化にオススメです。

基本的には、無改造でケロシン化可能です。装着部品としてプレヒートカップとなりますが、ランタンを構成する部品の加工は不要です。また、シングルマントルランタンではありますがビックマントル搭載のモデル「321」や「635」もケロシン化は可能です。

 ※ ジェネレーターやバルブASSYに手を加えません! プレヒートカップ
   のみ追加です。

100台以上のランタンをケロ化してきた結論としまして・・・
 シングルマントルランタンの小型マントルタイプ(286や282)はジェネレーターへの熱量が不足しており、気化工程が十分ではないので、不具合が出るのではないかと思っております。
 (282はレギュラーガソリン対応モデルなのでケロシン化にこだわる必要も
  ないかと思いますが・・・)

  不具合:燃料過多によるマントルの黒色化や照度不足、
      マントルから炎の飛び出しなど


 286系などのシングルマントルランタンはバルブASSY下部の穴径を変更して、燃料供給量を調整しておりましたが、最適な穴径は現在でも適正値を得られていません。なので、ケロシン化を行う際はWGへ戻すことが容易なツーマントルランタン 288・285・290・295(現行ランタン)をオススメします。


2023/10/21
このサイトをご覧いただいた方より、燃料ではなく空気量に着目してはとのご意見を頂きました。今まで、空気量の増大に着眼していなかったので、目から鱗でした。

具体的な手法ですが、胴体リングに穴をあける!

当方所有の286ランタンです。
ケロシン化しましたが調整が上手くいかず放置状態でした。

ご意見を参考に、
無数の穴を開けてみました。
(当方の運用機なので、大雑把です)

そしてビニールテープで穴を塞ぎます。
燃焼テストの際に徐々にテープを剝がしていき、燃焼状態(光量)の変化を観察します。

テープがはがされていく度に、燃焼が良くなることを確認しました。
この作戦はアリかと思います。

ただ、外見上、胴体リングに穴があけられるので好みは分かれるかと思います。


ケロシン改造記を新たに追加!(2023/10/24)

286ランタンのケロシン化改造記


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