石臼挽きそばのススメ! 更新日2022/12/06
そばの「3たて」ごぞんじでしょうか?
美味しいおそばの条件と言われています。
私がそばの手うちを始めたころは気にしていませんでしたが、美味しいおそばとは・・・と調べるうちに、古来の加工法である石臼で挽くことがいいのではないか?
との考えに行き着き、電動石臼の初号機製作にチャレンジした次第です。
電動石臼によって、
3たて行程・・・「挽きたて」「打ちたて」「ゆでたて」の全工程を一気に行えるようになります(大人数は大変ですが)。
これが美味しいおそばの秘訣です。
また、そばの風味を自在に変化させることが可能となるので、好みに応じた調整が可能となります。ここではその風味の調整について紹介していきます。
「玄そば」さすがにこのままでは食べれません。
そばの皮ごと電動石臼へ投入
⇒1番挽き
石臼から出てきたのが全粒粉です。
(右の写真)
皮の付いた玄そばを丸ごと石臼製粉した全粒の粉は、そばの美味しさ、栄養素がすべて粉になっています。その全粒粉を普通のザルでフルイしたのがこの写真。
右側のこの状態では、よほどそばが好きな方でないと食べれないと思います。この状態でそばを打ったことはありません。次の行程、40メッシュへ。
40メッシュフルイ後
左が40メッシュフルイに残ったそばです。
今回は捨ててしまいますが、そばの風味が強いのをお好みの方は左側の残留そばを石臼にかけていきます⇒2番挽き
右は40メッシュを通過したそばです。
この状態で打つと、舌触りがザラザラした田舎風そばができます。次は60メッシュです。
60メッシュフルイ後
右が60メッシュを通過したそばです。この状態ですと、若干、舌触りがあるかな程度のソバです。私はこのそばをよく提供します。
もちろん全粒粉そばですので、風味も抜群です。
さらに、80メッシュを活用することもあり、更科系そばとなります。
(正確には全粒挽きなので、星がそばに残るので更科ではありませんが、高級感のあるそばができます)
写真未掲載・・・すいません!
まとめ(1番挽き後のフルイ方法)
普通のザル通過 : 食するのに適さない
普通のザル残留 : そばの皮(そば殻)
40メッシュ通過 : 田舎風そば・ザラザラ感とそば風味は強い
60メッシュ通過 : バランス良・ザラザラ感減少・そば風味あり
80メッシュ通過 : 更科系 ・高級感
40メッシュ残留 ⇒ 石臼2番挽き
(栄養価や風味が残るとされる、そばの外側部分を石臼によって取り出す。
任意のメッシュでふるって投入することで、ザラツキ感を抑えて風味を
引き出す・・・少々手間が増えます)
二八そば
そばを始めた当初は10割や七三そばなどにもチャレンジしましたが、今では
二八そばオンリーです。(これという理由は無いのですが、10割は難しくなるし、十分に美味しい二八そばでいいじゃないかとの結論に至っています)
計量方法ですが、
内二八と外二八があります。私は外二八です。(計量がかんたんなので・・。)
内二八 : 小麦2:そば8 (完全な2:8)
外二八 : そば重量の2割分の小麦を投入
品種や地域
こればっかりは何とも・・・・です。
ただ味の性格は違うのは事実です。私は「ぼたんそば」をおすすめしますが・・・。
左右とも60メッシュ後の粉です。右のほうが色が濃いですね。
そばの保存
1人前ごとにラップにくるみ、冷凍します。
食べる際は解凍して、茹でるわけですが・・・ここで注意です。
完全解凍してからがミソ!
(不完全ですとくっついちゃうのです。無理やりはがすとブツブツ切れて
長く作りたいのに台無しです。)
手打ちソバが余ったら、小分けして冷凍です。
完全解凍がミソ!
風味豊かなそばが食べれます。
そばについて
偉そうなことは言えないですし、趣向の強い一面を持っていますので、あくまでも素人の個人的な考えとさせて頂いたうえで、
こんななのかなーと思っています。
楽しくそばを食べることが最大のおいしさなのかもしれません。
美味しい要因は = 挽たて、打ちたて、ゆでたて = 鮮度!
細く長く = 技術、道具
そば屋の不思議
そば屋でも、店頭のガラス張りの中に巨大な電動石臼が鎮座しています。
このようなお店では石臼挽きのそば=3たてそばを提供していると思うのですが・・・・風味が抜けているような感じで満足感が足りません。
やはりそばは鮮度!
これがそば仲間の統一した見解になっています。
とすると、
そば屋の店頭で挽いていた粉は当日に打つのではなくて、翌日以降になっている可能性があるかと・・・。昼食中に挽いているとしたら、夕食か翌日の昼に提供されることになると思われ、鮮度低下の要因なのかなーと考えております。
また、そばの皮をむかれた状態も劣化が進みやすいといいます。更科ソバはすべて皮をむいてから石臼挽きする必要があるので、鮮度が落ちやすいと言えるのかもしれません。
玄そばのまま保存しておき、食したいときに、食べれる量を挽き、3たてで食べるのが美味しいおそばへの近道でしょう!